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REPORT 実施事例レポート

当事者のリアル

  • 04

    表現活動から学ぶ
    多様な価値観・世界

    【実施地域】新潟県
    【実施主体】新潟青陵大学、
    社会福祉法人新潟県社会福祉協議会、
    社会福祉法人みんなでいきる

    • 概要

      新潟県内の福祉施設、社会福祉協議会の職員、学識経験者で構成される実行委員会で授業内容の企画を行った。ポイントとしては、社会福祉協議会や福祉施設がこれまで実践してきた福祉教育に新たな内容のプログラムを加えることを考慮。2021年度は障害のある方の表現活動から新たな福祉の側面を学ぶ機会を設けた。

    • 授業のポイント

      1. 表現活動の世界を知る
        福祉制度の利用者は、「かわいそう」「大変そう」「助けを求めている」という印象が一般的である。障害のある方も例外ではなく、福祉職と障害のある方の関係性は「支援する側・される側」と捉えられることが多い。
        一方で、障害のある方の表現活動は関わる方の世界観や価値観に大きな揺らぎを与えることがある。作品を鑑賞した瞬間に、「かわいそう」「大変そう」が、「凄い」「明るい」「楽しい」へと価値の転換が起こることがある。
      2. 日常的に行われている表現
        人間は誰もが、日々表現を行っている。表現とは自身の内にある感情や思想をなんらかのカタチで表すことを指す。いわば、生きることそのものである。日々施設等でつくられている習慣や行動、創作物とも言えないようなモノ、繰り返されるしぐさや語りにも作家の内心が色濃く映し出されていることがある。日常生活で表出される障害のある方の行為の意味を考えてみる。
      3. 福祉職としての気づき
        障害のある方の表現活動は時には問題行動だと捉えらえることがある。その方にとって唯一無二の表現が、他者にとっては迷惑となることがある。そのような場面に対峙した時の福祉職の気づきとその後の作家との関わり方を事例を通じて紹介する。事例の対応は決して最終的な正解ではなく、作家との関係を続けていく中で、都度関わり方を問い続けている。分からないからこそ、知ろうとする。
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